2006年02月05日

パクパクとゲーム「AIR」(後編−ネタバレ満載)

プレイ感想 後編はゲームのネタバレが殆どになると思うので、未プレイの方はここから先は読まないでください。

「Air」をプレイしていて率直に思ったのが、ぶっちゃけここまで読ませたい話があるのなら、ゲーム性を意識した選択形式を無くして、ストーリー分岐させずに1本道で順番に進めた方が良かったのでは?と感じました。

「佳乃編」→「美凪編」→「観鈴編」→「SUMMER編」→「AIR編」

ぐらいの順番で。

特にメインストーリーに絡まない2人の女の子の話は、メインストーリーに割って入ってしまうとちょっとヤボったくなってしまう気がしました。(唯一選択肢が無かったSUMMER編が一番話に集中できたので。)それに途中でバッドエンドとかになってしまうと、せっかく盛り上がりを見せたのに一気に興ざめてしまうし。

パクパクの好きな話の順番としては

1:DREAM編-遠野美凪
2:DREAM編-神尾観鈴
3:SUMMER編
 :AIR編
5:DREAM編-霧島佳乃

ですかねぇ。順番をつけたといってもどの話も素晴らしい出来なので甲乙付けがたいというのがホンネではありますけど。

●DREAM編-遠野美凪
パクパクとしては「美凪」の話がストレートに一番心に響きました。 美凪とみちるの話はサブストーリーながら、考えされられる話で、夕日をバックに2人が屋上でお互いフェンスを背にして顔を合わさないまま別れの約束を交わすシーンは涙が止まらなかったです。(こういうシーン1つをとって見ても、演出がウマイなぁ〜と思う。)しかも話の終わり方が一番綺麗だなぁ・・・・とも思いましたし。
AIR4.jpg
ただ個人的にちょっと引っかかるのが「みちる」っていう女の子の存在が美凪以外にも現実に居るものとして認識されていたことです。 結局、美凪にとって唯一心の拠り所が駅で会ってお弁当を一緒に食べていた「みちる」という架空の妹の存在で、美凪にはそれが確かに存在して見えていたけど、他の人には見えていない。 実はそういう子は現実には存在していませんでした・・・とする方が最もらしいかなと。(法術と翼人に関わりの深い、住人には見えていても構いませんが。)


●DREAM編-霧島佳乃
正直、佳乃編の話はちょっと物足りない印象を受けました。 右手にずっと巻いているバンダナっていう前フリは、すごく興味を注がれたものの、それは呪いの影響を受けて自殺するのを防ぐため。っていうのは、ちょっとう〜ん・・・となります。

佳乃の過去にはとてもツライ思い出があって、精神的に追い詰められ、それが原因で手首を切って自殺を図り、意識不明の重体になっていたが奇跡的にお姉ちゃんがずっと側で看病することで意識を取り戻す。その時には過去の記憶が一部失われていて、ツライ思い出や自分が何故入院していたかなど、全てを忘れていた。ただ手首にある切り傷だけは残っていて、それを見ると思い出してしまうからお姉ちゃんが「大人になるまで外さなければ魔法が使える」と、とっさの嘘で巻かせたバンダナ。そしてそれを信じた佳乃。それ以降、明るさを取り戻し普通の生活に戻っていった佳乃。

ところが大人になるにつれて、偶然に何かのきっかけで過去にツライ事件があったことを知り、事実が本当かどうか、恐る恐るバンダナを外してみると傷は確かにあった・・・・魔法が使えるなんて真っ赤な嘘。 それで全てを思い出し、再び心の傷を負ってしまった佳乃に対して主人公の住人が法術を使い、佳乃の魔法の力だと称して影ながらそっと力を貸してあげる・・・・
とした方が自然で綺麗かなと。


●DREAM編-神尾観鈴
観鈴の前半となるこのDREAM編は「Air編」に続かせるためのフリとしてはとても良かったです。 無邪気で変な行動を取ってしまう観鈴と主人公との関係、晴子の距離を置き冷めていると思わす態度など。
自分に流れてくる見えない力におびえる観鈴、倒れた観鈴に対して一度は距離を置くが再び戻ってきて観鈴の存在と笑顔こそが自分にとって一番大切なものだと気付く住人の心の移り代わりと、起こした行動などなど。

涙を流しつつも、計算されたシナリオの見せ方だなぁ〜と感心させられました。


●SUMMER編
舞台を1000年前に戻して翼人の存在と観鈴を苦しめている呪いの理由を明かすっていうのはもちろんのこと、ただの説明に留まらずに普通に物語として見てもキャラが生きているなぁ〜と感じました。
特に物語の核となる神菜の魅せ方はとてもうまくかなり感情が沸きました。母親が矢に倒れて絶命寸前。その横で必死になってお手玉をする神奈とそれを黙って見守る「裏葉」と「柳也」 涙ながらに文章を追ってましたが、ただ、その後、自分も力を受け継いで「裏葉」と「柳也」を逃がすために力を使って捕まってしまう。というくだりが唐突な印象を受けました。

どちらかというと、あの場では母親の力でなんとか3人とも逃げ延びてもらわないと何のために母親が命を掛けて犠牲になったのかがわからなくなるなぁ・・・と。
その後、「柳也」を助けるために禁断の力を使い、術師にその存在を知られ再び追われるハメになり、そこで力を更に解放して2人を助けて、自分は捕まるというほうが良かった気がします。 あと「柳也」が必死になって残りの人生を掛けて書いた書物と、「裏葉」が生涯をかけて体得した法術は、物語の中でもうちょっと生かすようなシナリオの方が良かったです。


●AIR編
もう「壊れていく観鈴」と「健気な晴子」のやり取りをみていると後半はずっと泣きながら文章を追ってた感じがしますが、正直、エンディングは納得いってないんですよねぇ・・・。
AIR3.jpg
観鈴が結局、運命に抗えずに倒れ亡くなるのは仕方がないとしても、SUMMER編で「裏葉」や「柳也」が残したもの、1000年の間に子孫達が積み重ねてきた苦い記憶と果たせなかった想い、更に住人が転生してまで望んだ答えがこれでは全く意味が無いなぁ・・・と。

観鈴達の命を掛けた頑張りによって、1000年続いた呪いから開放されたというのはありますけど、う〜ん、もうちょっと綺麗な展開があったのではないかなぁ・・・。

どちらかというと、カラスの住人は登場させずに住人がいなくなった、その後の話を普通に追い「晴子」と「観鈴」のやり取りがあり、最後は美鈴が晴子の愛に見守られながらその胸で笑顔で静かに亡くなる。これでAir編は終了。

その後の最終話として、住人が自分の中に眠る本当の力と「裏葉」と「柳也」の1000年間受け継がれてきた先祖達の強い想い、それらを開放して過去をやり直すためにカラスという話せない姿になって記憶を持ったまま過去に戻る。 そして、何も出来なくて誤った答えを選択してしまった最初の悲しい現実を回避するために、祖先達の力と知識を使って「人間でいる住人」と共に未来を変えていく・・・・。 というユーザーに最後の選択を残す展開の方が良かったのではないでしょうか? せっかくゲームというユーザーが介するメディアなんだし。

また「美凪」や「佳乃」のシナリオを終えないと、このシナリオを選択できないのなら、彼女らも混ぜるのもアリだと思います。

辛口にいうと、「Air編」に関しては演出を魅せようと意識しすぎて、それまで積み上げてきたフリを疎かにしてしまったのではないかな・・・とそんな気がしてしまう内容でした。

●総評
とまぁ、個人的な思いを勝手にいろいろ書きましたが、改善点をいろいろ考えてしまう、考えさせられる というのもこの作品がとても魅力的で、素晴らしいものだからという証なんでしょうねぇ〜。 ネットでの評判が良くて何の気なしに、やってみた作品で、ここまで影響を受けてしまうとは当初、全く予想していませんでした。 こういうのをやると、まだまだ世の中には自分が触れていない「名作」が隠れているなぁと感じてしまいます。
もっと貪欲に多くの物を見て聞いて触れてみて、自分の中で何かが変わる、何かが生まれるきっかけ、人生の肥やしになってくれる、そんな「良い作品」に巡り合っておきたいなぁ〜と思わせてくれた作品でした。

自分はゲームを作る楽しみと苦しみを知っているだけに、頑張って制作されたスタッフさんには「お疲れ様でした」とこういう作品を送り出してくれて「ありがとう」を素直に言いたいところです。


posted by pakupaku(パクパク) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム「詳細レビュー」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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