2006年03月07日

パクパクとゲーム「てのひらを、たいように」(後編-ネタバレ満載)

プレイ感想 後編はゲームのネタバレが殆どになると思うので、未プレイの方はここから先は読まないでください。

パクパクはプレイする前からネットでの評価を見ていたので、この作品が「友情」というものをテーマに描かれているということは事前に判っていました。 ただ友情を題材とした作品は、ゲームでも、小説でも映画でも腐る程見てきたので、どういった展開にしていくのかは序盤から非常に興味がありました。
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タイトルやパッケージから推測するに、主人公とヒロイン達との学園生活を舞台にした友情を明るく楽しく描いているんだろうなぁ・・・と思ったら、序盤は主人公が暗いわ、不甲斐ないわ、ヒロイン達からはうそつき呼ばわりされるわ、散々な感じ。友情なんてどこにも出てきません。
むっ、なんだこの嫌な感じは・・・(笑)

ところが、主人公が「永久」を思い出したところからゲームの雰囲気がガラっと一変。「美花」と「穂」のピンチを身体を張って救う演出と展開はかなり気持ちよくプレイできました。 やっぱり、プレイヤーの分身となる主人公はこうでなくては。

そしてその後、約束した記憶を思い出して4人で互いの友情を感じながら、まったりと過ごす夏休みはゲームなのに「心地よい」と感じてしまいました。 ゲームのシナリオっていうのは所詮起伏が無いと単調に感じてしまって飽きるので、いろいろ突飛なイベント満載なのが普通だと思うんですが、この作品の中盤の4人でまったりと夏休みをわいわい楽しむっていうのは逆にすごく良かった。(中だるみと感じる人もいるかもしれない。) たぶん、これはライターさんの書きかたと台詞回しが上手いからこそ成り立っていたんだと思う。

そして、そんなまったりした雰囲気を一気に崩すべく、祭での日高との接触で発覚した「さとり」の存在と、旧家による思惑と過去の悲惨な出来事。
こんな展開は全く予想していなかったので(永久が「さとり」だといのは最初からバレバレでしたけど。)日高の壊れっぷりには、永久や明雄だけじゃなく、画面の前のパクパクもガクガクブルブル状態でした(笑) あいつは社会に放置しておいちゃダメだろ。しかも学校の先生って。

そして、夢に何度も出てきた芙蓉の木を掘り起こすシーンが、実は旧家の連中が「永久」を生き埋めにしてた・・・というショッキングすぎる展開!  土掘って生きた人間が出てきたら、記憶を消さなくても子供心にトラウマになるよねぇ・・・(笑)
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そこからサマースクールでの永久の暴走シーンとなるんだけど暴走を恐れてその場から逃げ出そうとする「永久」を、混乱の中3人が手をつないで永久に駆け寄って抱きしめるシーンは美しかった。絵だけでなく、もうちょっと歌とか演出で盛り上げてくれるともっと良かったんですが、まぁ、贅沢は言いません。

そして永久にとっては明雄達と会う最後に日に主人公と自然と結ばれる永久はかわいかった。こういう感動シナリオにHシーンは不要だという意見は変わらないけど、流れが自然でやり取りに無理がなかったから今回はあまり気にならなかったなぁ、正直。

そして次の日から姿を見せなくなる永久に対して、明雄達3人が社に乗り込んで旧家の連中と戦って永久を救い出し、そのままつり橋を落として立て篭もるという展開にはちょっとビックリ。 こういう展開になるとは思ってなかったし、もうちょっとシナリオライターが空想で描く綺麗な救出劇を予想していたので、こういった強引で先の見えない展開には逆にグイグイ引き込まれました。

その後、橋が再びかけられ追い詰められる4人。永久と共に4人で死のうと決意して笑い合うシーン。そんな絶体絶命のピンチで現れた救世主が敵対していた「蓮見まりあ」! ぐぅ、やられた・・・。 ここで彼女を出してくるのか・・・、しかもその後、明かされる真実と過去の約束。 「蓮見」と和解して7人で友情を確かめ合うシーン。 完全に、パクパクの完敗です。予想してないことだらけ。

人によっては、たったこれだけのきっかけで、蓮見が主人公達に対してあそこまでの嫌がらせはしないと感じるかもしれませんが、蓮見の性格等をじっくり考えると序盤のしつこい嫌がらせもありえなくはないなぁ・・・と思えました。 マイナス評価からスタートしたキャラだけあって、この展開で「蓮見まりあ」の評価が急上昇! まさにライターさんの手のひらで踊らされているパクパク(笑)

そして街の人や旧家の連中に芙蓉の木の下で追い詰められて、後がないシーン。 ここで永久が、大好きなみんなを守るために、自分から「望まない力」を使ってみんなを救おうとするシーンは予想してました。 こういう能力を持った人が自己犠牲で最後の力を振り絞って能力を発動して好きな人を助けるっていう展開になるんだろうなぁ・・・と。
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だけど、ここでもまた裏切られる展開に。 3人が永久のために必死で抱きついて発動間近だった力を消して
「・・・・ごめんね。わたし、やっぱり使えないみたい。」と照れて笑い
「・・・・できそこないだな」と明雄がツッコミを入れて
「あう。ひどい」と嘆く永久を囲んで、絶対絶命のピンチの中で4人で笑い合うシーンには、グッときました。 こうきたかぁ・・・。

結局、今まで生き埋めにされて殺され続けてきた「さとり」達の力によって永久の力が完全に消え、村人や旧家も連中も永久を「さとり」ではないと全員が瞬時に認識し、全ての忌まわしい事件から解放され、最も理想的な形で救われた永久達ですけど、この展開に関しては少々都合の良い気もしましたが、心を操る「さとり」の力ということを考えればまぁ許せる範囲でした。 

そんな事件から数日が経ち、夏休みが終わり学校へ登校する日。本当ならば儀式によって生き埋めにされこの世から自分の存在が無かったことにされ、こんな朝を再び迎えるなんて思って無かった永久。

いつものように芙蓉の木の下で亡くなった先祖達にやさしく語りかけていた永久を迎えにきた明雄と穂と美花の3人。あぁ、いつものようにまた4人で登校するんだなぁ良かったなぁ・・・とハッピーエンドな展開に満足していたら、

突然、美花の合図で後ろに待機していた蓮見達や、クラスのみんなが永久に向かって
「とーわーちゃーん! がっこいこー!」
といつも永久が毎日明雄のマンションに朝迎えに来て呼び出していたセリフを真似ながらみんなで声を合わせて呼びかける。

そして、それにはっとして信じられない様子で振り向いた永久に向かってもう一度、みんなで呼びかける。
「とーわーちゃーん! がっこいこー!」
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振り向いた永久の目に涙があふれ、

「さ、がっこ行くぞ、永久!」と明雄が

「いそがないと遅刻よ!」と穂が

「みんなでがっこ、だよ」と美花が

その言葉に涙ながらに何度もうなづく永久が

「うん・・・・うん! みんな、がっこいこ〜!」

と涙を流しながら笑って明るく返事する永久。
そして永久の手を引き、背中を押してみんなの待つ場所へと駆け出すシーンには、もうボロボロ泣けた〜。

それまで1人孤独に虐げられ続け、周りからは「化け物」と呼ばれ、儀式と称して殺されようとしていた永久が、大好きな4人に囲まれて、永久を友達と思ってくれるクラスのみんなが迎えに来てくれて、過去を全て清算するぐらい幸せな報われ方で良かった・・・・。こんな気持ち良いハッピーエンドは今まで見たことないかも・・・ってぐらい素敵な終わり方でした。

こういう作品に出会えて良かったなぁ・・・心底思える程、まさに名作と呼ぶに相応しい作品でした。(シナリオはこのままで絵を倍以上増やして、明雄のボイスを入れたフルボイスリメイク版でも出してくれれば、1万以上出しても惜しくないなぁと思うんですが、どこかPS2あたりで出してくれないかなぁ・・・もしくはアニメとかでも良いけど。)


posted by pakupaku(パクパク) at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム「詳細レビュー」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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