2006年02月21日

パクパクとゲーム「サナララ」(後編−ネタバレ含む)

プレイ感想 後編はゲームのネタバレが殆どになると思うので、未プレイの方はここから先は読まないでください。

4章とも全て良い話でしたが、あえて順番を付けるとするとパクパク的には

1位:2章「高槻 あゆみ」編
2位:3章「三重野 涼」編
3位:4章「矢神 由梨子」編
4位:1章「椎名 希未」編

ですかねぇ。好きな順番に詳細コメントでも書いていきたいと思います。


■2章「高槻 あゆみ」編
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この章だけは他のに比べてダントツ好きです。4,1,3章は甲乙付けがたいですが、2章の話はすっごくパクパク好み! ツボを突かれるってのはまさにこういうことかも。

近くに住む学校が近くの幼なじみ。普段は気にしなかったけど、今回の「一生に一度のお願いシステム」により意識し始めて、改めてお互いの存在の大切さを知るっていう展開。
まぁ、幼なじみが恋人に発展するってのは話的にはベタな展開かもしれませんが、とにかくテキストの展開の仕方が秀逸で、ストレートに話しに入り込めました。何より、全編通して挿入歌からBGMから、この章だけは明るくてノリがいい! 学園モノの月9ドラマを見ているようだ。

最初の「お試し願い」でキウイが大量に送られてきて笑い。それを生かすようにケーキ作りの展開に広げ、1日しか期限がないケーキ作りでの海外留学の話に対して、何度も同じ日を繰り返すことで、最初は下手だった彼女のケーキ作りも同じ日を繰り返して工夫と努力を重ねることで少しずつ上手くケーキが作れるようになっていく。 そして、審査員のパティシエに認められ本当に海外留学の話が真実味を帯びてくる・・・

だけどそれと正反対に不安になっていく「ナビゲーター」役の彼の気持ち。
それに気付いた彼女がとった行動は・・・と、気のないふりをしていた彼がようやく気付いた自分の気持ちとそれを素直に伝えられないもどかしさ、普段は強気でまじめ一辺倒な彼女が彼の気持ちを察して起こす突飛な行動。 

う〜ん、思い返してみても良くまとまっている話だなぁ〜。無駄な部分が一切ない。 あと、Hシーンに入る前の台詞のかけあいは見事でしたねぇ。自然とそういう雰囲気になり、キスしようとする彼に対して、彼女が「待った」をかけて、この場限りの感情ではなくて本当に自分のことが好きで、そういうことをしたいのかを確かめるっていうのはイイ! すごくイイ! 想像だけであんなテキストがよく書けるものだと感心してしまった。

まぁ、2章だけでなく「サナララ」では4章とも全てHシーンに入る展開に無理がないというか、すごい自然で好感が持てましたねぇ。ただこの絵でHシーンには違和感を覚えるけど。 そもそも18禁の感動系のシナリオをメインとするパソゲーの場合は、ほとんどのゲームにおいてHシーンは余計だよなぁ〜と思う。
オプション設定で、
・激ハード
・キスとか軽いペッティングぐらい。
・一切無し。
の3種類ぐらいの難易度設定できたら面白いのに(笑)

エピローグで今回の件の全ての記憶を無くした2人だけど、屋上で彼女が作った弁当を2人仲良く食べてるシーンはいいねぇ。幸せそうな2人を見てるとすっごく癒される〜。 1つ設定的なバグとして、2人でゲームセンターにいって輪投げをした後、店の人が「存在が見えないハズの主人公」に対して商品を手渡しています。 それまで徹底して設定を守ってきた話なのに、そこだけ主人公が周りの目から認識されていたテキストだったのでかなり違和感を感じました。


■3章「三重野 涼」編
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う〜ん、期限に遅れてやってくる。最初のお試し願いが叶わない。っていう前フリが最後にそうきたか・・・とお約束の「死」を絡めた展開。 少々パソゲーでのヒロインの「死」を絡めるような展開は飽きていたので、順位は下げましたが、それでもキャラとかシナリオとかはなかなか良かったと思います。 とくに他の章と違って1日しかない時間の中で、夜中に2人だけで学校の授業をしていくってのがいいなぁ・・・よく考えましたねぇ、これ。

長い間病に伏せて「一生に一度の願いが叶う」チャンスが訪れているのに余命が残りわずかな彼女。 それでも最後の日に奇跡が起きて何とか「ナビゲーター」役の彼の元に辿りつき、自分の身を明かさぬまま、彼とともに深夜の学校で叶えられなかった望み(普通の学校生活)を彼に叶えてもらう。彼もまた心に深いキズを負っていて、彼女と会話し共に2人だけの深夜の学園生活を送ることで自分の過去と向き合い癒されていく。

願いごとが叶えられる期限が間近に迫っているのに、何故か叶えてあげられない彼女の願い。 それは既に彼女が病気で亡くなっていて、この世にはもう存在していないから。 夜が明けようとする中、屋上で彼女が「演劇の物語」の台詞に倣って彼に伝えたかった言葉

「君が思っているよりも、世界はずっと素晴らしいもので満ち溢れている。
 僕から見れば、君の後ろに広がる世界は眩しく光輝いているんだよ。
 だから君には光の世界で生きて欲しい。
 その光からどうか目を逸らさないで欲しい・・・」

他の章が癒し系なのに、この章だけはこのシーンと台詞でとても泣けてきます。 時間が終わりを告げようとしている中、日の光と共に消え行く彼女が空に向かって手を伸ばし元陸上部だった彼に対して指で鉄砲をマネて「いちについて・・・・よーい・・・・・ドンッ!」と言って消えていった姿は、涙無しには見れませんでした。


■4章「矢神 由梨子」編
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これまた、完全にしてやられた感が・・・。 なるほどねぇ。タイトルの「サナララ」ってそういう意味かぁ。ウマイなぁ。 人間の心理としては、どんな作品でも起承転結の「結」さえ良ければ、高評価に感じると思うんですよね。 だからといって「起」を疎かにしてしまうと、すぐに投げてしまって最後までやってもらえないし「承転」もしっかり作らないと「結」の盛り上がりに欠けてしまうので、作品作りってのはどこも気が抜けない作業だったりするんですが、この作品の最後に相応しかったです。4章の展開は。

周りの目を意識してやりたいこともできずに大人しく世間に従って、構ってくれる存在もなく寂しく生きていた彼女の見えない枷を、少々強引ながらもゆっくりと解いてあげる主人公。それに対して戸惑いながらも、年上の彼の自分には無い魅力に惹かれながら自分の心を扉を少しずつ開けていく彼女。2人の距離がプールに描かれる大きな1枚の絵によって縮まっていって、それが記憶をすべて無くした後も2人を結びつけるきっかけになる・・・・。う〜ん、これもまた見事なシナリオ!

彼女役の声優さんの声あてもウマくて、かなり良さげなラブストーリーを3時間たっぷり見せてもらった感じがしてとても満足です。 「サナララ」色かぁ・・・。

ただ唯一気になったのは、1、3、4章とも出てくるヒロインの子達が全員幼い顔立ちにまじめな性格でとても純粋、ちょっと気の小さいところがあって引っ込みじあんという3人とも似たようなキャラだったのが残念。 さすがに似たような性格で髪型が違うだけだと、最後にやるこのシナリオでは少々キャラにマンネリ化を感じてしまいました。


■1章「椎名 希未」編
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クリア後のオマケでライターさんも書いてましたけど、この「一生に一度の願いごとシステム」という不思議なシナリオ設定を冒頭でユーザーに伝えきるのは大変だったろうなぁと思います。それでいて、この章がダメダメだと、ユーザーに途中で投げ出されてしまう訳ですから、解説と物語を微妙なバランスを保ったまま両立して3時間のはなしとしてまとめる。 それを考えただけでも、1章の役目と話としての出来は素晴らしい!

男性の顔を見て3秒会話することができない究極の恥ずかしがりやな彼女と、彼女に説明されて今回の「一生に一度の願い事」を叶える機会を与えられた主人公の彼。 彼女の恥ずかしがり屋な性格で会話すらまともに成り立たない状況が、お試し願いによって1週間の間だけ2m以上離れられない状況になり、学校もトイレもお風呂も寝るときも常にくっついて行動を強いられるようになった不便な生活。

そんな窮屈な生活があったからこそ、自然とお互いの存在を意識し合って身体だけでなく心の距離も縮まっていく。だけど、そんな不思議な体験をした1週間はあっという間に過ぎて元のように離れ離れになり、願いごとの期限も迫ってきた中、彼が最後に望んだ願いは・・・元々赤の他人だった「彼女の幸せ」この一件が終われば全てを忘れ2人とも元の日常の生活に戻ってしまうのに、大事な一生分の願いを自分の利己的な願いではなく「彼女の幸せ」を願うってのは心に響きますねぇ。 ライブドアのホリエモンの名言「お金で愛は買える!」と真逆の考えだ(笑)

実際、本当にこんなチャンスが訪れたらパクパクは真っ先に自分のことを考えてしまいそうですが、世の中には自分のことよりも誰かを幸せに・・・と願う人がどれだけいるんでしょうかねぇ。 自分が生んだ子供とかには幸せになって欲しいと親は願うのかもしれないなぁ。


●総評として

それにしてもパソゲーでこんな癒されるとは思わなかった。 しかもそれぞれ違うライターさんが書いていて、全体としてこんなにまとまった作品になってるのには感服してしまう。 ねこねこソフトのスタッフさんって優秀ですねぇ。はっきりいってこの作品パソゲーだけで終わらせるのは勿体ないと思う。 男性側の声もつけてフルボイス化したコンシューマ版が出れば、即買だろうなぁ。 いい作品をありがとうございました。 次の作品もかなり期待しています!!


posted by pakupaku(パクパク) at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム「詳細レビュー」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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