2006年07月08日

パクパクとゲーム「Scarlett スカーレット」(後編−ネタバレ満載)

プレイ感想 後編はゲームのネタバレが殆どになると思うので、未プレイの方はここから先は読まないでください。


■パクパク印象度 第4位「大野明人」
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日常を生きる普通の青年として、最もユーザーに近い存在であり、主人公としては最も適役であったハズなのに、プレイを終えてみると、何だか主人公って感じがしない微妙なキャラクター。 というのも、作品の主眼がほとんど「九郎」視点で、明人はそこにちょこんとお邪魔しているだけの軽い存在だったのが、とても勿体ない。

個人的には、作品の全てを「明人」の視点で描き、高級諜報家の「九郎」の素性やその非日常の世界は、明人の視点から徐々に見せていく展開の方が良かったのではないかと思うんだけど。 明人の知らないことはプレイヤーも知らない訳で、九郎の世界に足を踏み入れた明人が次第にその世界のルールや知識を経験と共に広げていき、九郎の片腕となるように成長していく様子を描くのが最も理想なカタチなんじゃないのかな? と。 
そして第4章で明人は「高級諜報家」としてのルールを把握していないために相手の罠にハマったりしたけど、この展開では「九郎」が助け舟を出すんじゃなくて、明人としずかの2人の力で困難や危機を乗り越えて、成長した2人の姿を見せて欲しかった。

(もっと理想を語るなら、2人の力で何とか困難を脱出したと表面上はみせかけておいて、実は九郎が裏工作で手を回しておいて、こっそりと助け舟を出してあげる。 そしてそのことを2人には言わないで、単純に2人だけで危機を乗り越えたことを褒めてやる。そしてもうこんな危険と隣り合わせの生活から足を洗わせて別れる。 一般生活に戻った2人は自分達の力だけで乗り越えたと思っていたところに、ナセルから「あの世界はそんな甘いモノじゃない。あれは九郎が・・・」と、裏であった本当のコトを教えてくれる。 といった感じで、九郎の器の大きいところを後で実感してみせるようなシナリオだと最高でした。)

あと、ザッピングのようなシステムの割には、ザッピングの面白さが表現できていない、ただのプレイヤー切り替え視点の選択は無意味だったような気がします。

それと、明人と母親との会話で一瞬バグかと思うぐらい、2人の他人行儀なほど不自然なやりとり。

●しずかの家で母親との会話のシーン

明人「で、今日はどうしたんですか? こんな場所まで来て」
ママ「ええ、2週間ほどお休み取ったので、海外にでも行こうと思って」
明人「ああ、それはいいことですね」
ママ「で、良かったら明人、あなた案内してよ」
明人「ええ、僕がですか?」
ママ「だってあなた、海外には慣れているんでしょ?」
明人「あ、まぁ、それはそうですが・・・」

●街中で同業者のナセルと会ったシーン

ママ「明人、あなたのお知り合いの方ですか?」
明人「え、ええ、ちょっとした仕事仲間で・・・」
明人「ほら、もう行きますよ、お母さん」


・・・・・何、この英語を日本語に翻訳したような全く愛想の無い会話は。
母親はともかく、明人の発言はどう考えても実の母親との会話としては不自然すぎると思うんだけど。いいとこのお坊ちゃんで丁寧な言葉のやり取りを書こうとしたのか知らんけど、ライターの中ではこんな変テコな会話しか浮かばなかったんだろうか・・・。



■パクパク印象度 第2位「別当・和泉しずか・スカーレット」
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当初、しずかは見た目がカワイイなぁ〜という存在だけで、1章、2章と地味な存在だったけど、3章でその過去が明らかになり、4章で明人を追って無人島に乗り込む怒涛の展開を見せて、後半で急に株が跳ね上がった感じ。

パクパクには、3章のクローンの話でライターさんの泣かせたい思惑がチラチラ見え隠れしているなぁ〜と感じたんだけど、涙もろいパクパクでもさすがにこの程度では泣けず、普通に淡々とマウスをクリックしてました。 しずかの生まれた理由がイリカの臓器を生み出すためってのが、ちょっと前にプレイした「ぼくのたいせつなもの」と微妙に設定が一緒で、またか・・・という二番煎じな印象と、クローンネタを考えたときに、この展開は誰もが考え付くし、結局はしずかを殺せずに家族として迎え入れ、イリカはしずかとレオンに見守られて息を引き取るという結末も予想を裏切らないごくフツーのものだったので、感動は薄かったなぁ。

また、過去のシーンで何度か「ゴメンじゃなくて・・・ありがとうだよ。」って語るフレーズ。これも残念ながら、パクパクにとってはどっかで聞いたことがあるフレーズなんだよねぇ。こういった感動シーンは、二番煎じとかになってしまうと極端に感動が薄れるので、ライターさんが何かの作品に影響を受けて書いたとしても、ユーザーにはどっかで見たことあるなぁ・・・と思わせないような工夫(改編っぷり)が欲しいところ。

たぶん泣かせ上手なライターさんなら、同じクローンネタを扱うにしても、もっと上手く展開するだろうし、3章に行くまでに序盤に伏線を張ったりもしてくれそう。 あと、DNAに手を加えたという記述は無かったけど、イリカの細胞を培養してクローンのしずかを作ったのに、しずかには凶悪な病気の兆候が一切見られない健康体ってのには、ご都合主義を感じてしまうけど、クローン技術ってそんな便利なもんなんだろうか?

4章での無人島に乗り込んできたのは、かなりグーな展開。あんな2人きりの展開だと、エッチするなってのが無理ってもんです。することなくて暇そうだしね(笑) 個人的には、もうちょっと2人きりでの無人島での様子を描いて欲しかったけど、脱線すると大元の話がうやむやになってしまうから仕方ないか。



■パクパク印象度 第1位「別当・和泉九郎・スカーレット」
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結局「スカーレット」っていう作品は、最初から最後まで「九郎」の話だった訳で、重要な場面でも特に選択肢があって大きく分岐する訳じゃなく、プレイヤーとしてのパクパクは、淡々と九郎の活動の様子を収めたビデオを見せられたような印象。 なので4章を通して九郎が一番印象に残っているけど、だからといって感情移入したりするようなシーンも描写もなく、エンディングが流れて「あぁ、終わっちゃったなぁ」という淡白な感想だけが残った。

八郎が若い頃に上級諜報家のスカーレットと結婚するため、命令を受けていた依頼主で父親でもある七葵を殺したのは作品中、最もインパクトのあった描写だけど、九郎に関しては出来の良い最良の思考と選択ばかりで、特に「相手と揉め事を起こさない守られた存在」という高級諜報家という設定も災いしてか、「この先、一体どうなるんだろ・・・」っていうストーリーを先に進めたくなるようなドキドキ感すら、ほとんど無かったのが最も致命的。

ちなみに、パクパクは「ナセル」や「マゼラン」が初登場したときに、てっきり九郎が変装して明人を試すために策略を仕掛けているものかと思っていたけど、ただ男絵として顔の作りや輪郭が似ているだけでした(笑) 諜報家っていうと、スパイっていうイメージがあるから、変装や、偽装工作なんかは当たり前のようにするし、銃撃戦や格闘なんかも一流にこなす凄い人を想像して楽しみにしていたのに、そういう描写は一切なく、ただ世界を飛び回って地味な活動をしているフツーの人にしか見えなかったなぁ。 それが高級諜報家なのさ。と作中では言っていたけど、そんな戦わずに話し合いだけで解決するのは「エンターテイメント性のある話」としてはツマラない訳でして・・・。



とまぁ、長々と愚痴っぽい感想を書きましたが、ねこねこソフトさんの最期の作品として、いろんな意味で堪能させてもらったので概ね満足しているパクパクです。ありがとうございました。 一応、ねこねこさんの他作品「銀色」「朱」「みずいろ」は手元にあるので、そのうちプレイしてレビューをアップする予定です。 いずれも評価は高い作品なのでかなり楽しみな感じ。

それと近々、男性ボイスがダウンロードできるようになるらしく、そのサービス精神には恐れ入るし、どんなゲームでも完全フルボイス派なパクパクとしては喜ばしいんだけど、声のためだけに同じストーリーを2回やるのはちょっとキビシーなぁ。 どうせなら、もうちょっと早く対応して欲しかったと贅沢を言ってみる。


posted by pakupaku(パクパク) at 13:05| Comment(0) | ゲーム「詳細レビュー」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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